安定遺伝子発現細胞株構築

遺伝子安定発現細胞株の構築
人工染色体ベクターは既存の発現系にない様々な特徴を有しております。弊社では、これらの特徴を活かした安定的な遺伝子発現細胞株の構築サービスを行っております。創薬プロセスにおける医薬品候補化合物のスクリーニングやin vitro 薬理試験などへご利用いただけます。
既存の発現系での問題点 | 人工染色体ベクターを使用する利点 | |
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遺伝子搭載 | ・搭載サイズに制限がある ・制限酵素により遺伝子組込みを行うため、搭載遺伝子の制限酵素サイトやサイズによって制限あり |
・搭載サイズに制限がないため、ゲノムDNAを搭載可能 (スプライシングバリアントの評価可能) ・複数の遺伝子を搭載可能 (タンパク質-タンパク質相互作用解析などが可能) |
プロモーター | ・外来プロモーターによる強制発現の場合、発現量利用をコントロールできない(生理条件とは異なる可能性) | ・オリジナルプロモーターによる発現が可能なため、生理的条件での発現が可能(生体を反映した発現量や組織特異的発現が可能) |
遺伝子安定発現細胞株の構築 | ・恒常的に発現させるには、宿主染色体に挿入される必要がある ・挿入される部位、挿入されるコピー数は様々 ・宿主染色体への挿入部位による影響を受けるため、過剰発現やサイレンシングが起こる |
・宿主染色体とは独立して存在する ・同じ人工染色体ベクターを様々な種類の細胞株に移入することができる ・発現に宿主染色体から影響を受けない。 |
ベクター安定性 | ・発現消失が起こる場合もある | ・長期間一定のコピー数で維持される |
搭載遺伝子 | DNAタイプ | 受容細胞 | 概要 | 引用文献 |
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CMV-human EPO | cDNA | HFL-1 | エリスロポエチン発現系の構築 | Kakeda et al., 2005(17) |
CAG-human FVIII | cDNA | CHO hprt-, hiMSC | 1-16コピーのFVIII遺伝子を発現 | Kurosaki et al. 2011(11) |
HSP70-insulin | cDNA | HT1080 | HSP70プロモーターを利用したインスリンの発現 | Suda et al 2006(14) |
Human dystrophin | ゲノム | hiMSC,mouse,mdx-iPS, DMD-iPS | ジストロフィン遺伝子を含むHACベクターをIPS細胞へ導入 | Hoshiya et al. 2009(20) Kazuki et al. 2010(18) |
Mouse CD40L | ゲノム | Jurkat,U937 | CD40リガンド遺伝子を発現 | Yamada et al. 2008(13) |
Human P53 | ゲノム | mGS p53-/- | マウスp53欠損細胞にhP53遺伝子を導入 | Kazuki et al. 2008(23) |
TR-DNA-PKcs | cDNA | V3 | 遺伝子修復に関連するDNA-PKcsをTetシステムで発現コントロール | Otsuki et al 2005(16) |
Ubc-hTERT-IRES-GFP | cDNA | HFL-1 | テロメラーゼ逆転写酵素遺伝子の発現により正常繊維芽細胞の寿命を延長 | Shitara et al. 2008(26) |
OPN-EGFP | cDNA | hiMSC | OPNプロモーターによる細胞種に特異的な発現系の構築 | Ren et al. 2005(25) |
OC-GFP | cDNA | CHO | OCプロモーターからのGFP発現による骨形成因子を含む食品等のスクリーニング系 | Takahashi et al 2010(27) |
Kazuki Y et al., Gene Ther 2011 Table 2より抜粋
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